国税通則法改正に伴う税務調査の改正について
税務調査の手続きが平成25年より改正されました。
主な改正点は次の通りです。
(1)事前通知の徹底
改正以後は顧問税理士ではなく、直接納税者に事前通知されるようになります。
通知内容は、
- 調査を開始する日時
- 調査を行う場所
- 調査の目的
- 対象となる税目
- 対象となる期間
- 対象となる帳簿等の種類
- 対象となる納税義務者の氏名・住所
- 調査官の氏名と所属
となります。
従前は、まず顧問税理士に連絡が行き、その税理士が納税者に連絡をしていました。しかし、これからは直接納税者に連絡が行きます。その後、顧問税理士に連絡が行きます。
※調査に支障があると認められた場合などは、事前通知せずに税務調査を行うことができます。
(2)帳簿書類の預かり
帳簿書類の預かりは今までも行われておりましたが、明確な規定がなかったため今回の改正で明文化され、預かり証を発行して帳簿書類等を預かることができるようになりました。
ただし、明文化されたといっても今後も納税者の承諾が必要なことは変わりありません。正当な理由があれば拒否することができます。正当な理由がないのに拒否した場合、または虚偽の記載した帳簿等を提出した場合には罰則規定(一年以下の懲役又は50万円以下の罰金)があります。
(3)調査結果の説明と修正申告等の勧奨
今回の改正で調査終了時に更正又は決定すべき項目が何もないときは書面で通知を行う、いわゆる是認通知が義務化されました。
一方で更正又は決定すべき項目があった場合には、修正申告を勧奨する「修正申告等について」という書面が交付されることとなり、納税者の選択は以下の2つになります。
- 修正申告の勧奨に応じて修正申告書を提出する。この場合、修正申告をした場合には「不服申立てをすることはできないが更正の請求はできる旨の通知」に納税者が署名・押印する手続きを行うこととなります。
- 修正申告に応じず税務署からの更正又は決定を受ける。(更正又は決定を受けた場合には修正申告に応じた場合とでは加算税等が違ってきます。)
また、上記の調査結果の内容等につき、顧問税理士の立ち会いを求めるときは、新たに「調査の終了の際の手続きに関する同意書」の提出が必要となりました。
注意
この改正は原則として、平成25年1月1日以後に実行される税務調査について適用されます。
税務調査の手続きの流れ